復職支援プログラム(復職トレーニング)は油断禁物
そもそも復職支援プログラムとは
適応障害(ストレス原因)などが理由で休職している労働者に対して、職場に復帰するためのリハビリプログラム(内容)を指しております。足に重度の骨折を負った場合、車いす→松葉杖→筋力UP(手すりに掴まって歩く)→普通に歩く(日常生活が可能なレベル)のような、「怪我を負ってから、日常生活を送るまでを段階的」に無理なく回復するように、心の怪我(適応障害)なども、同じように「診断を受けてから、学校・職場(ストレス原因)までを段階的」に無理なく復帰させるのが、このプログラムの目的です。
また、リワークとは、「Return to work」の略語であり、復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムと同じ言葉を指します。医療関係ではリワークと言い、企業の場合は、職場復帰トレーニングや復職トレーニングなどと言われる事もあります。
リワークの種類と内容は
そもそも、リワークは大きく分けて3種類に分類されます。
医療リワーク
心療内科や精神科にて実施されるプログラムです。医学的リハビリテーションなので、医師や心理士が担当され、費用は一部、自費負担になります。リワークの内容は、病院によって様々で、オフィス環境を仮想的に再現してシミュレーションするプログラムを採用している医院もあるようです。
ざっくり言えば、医学的な方法で「ちゃんと治して、次へ進もう」というパターン。治療メインな方法なので意味があると思います。
職リハリワーク
地域障害者職業センターにて実施されるプログラムです。地域障害者職業センターは各都道府県に1ヵ所以上設けられており、職場への適応に向けた本人と雇用主への支援を目的としているため、医療リワークのような治療を目的としていない点に注意です。また、期間が3~4ヶ月程度と中期に渡りますが、無料で利用できる点が特徴です。
ざっくり言えば、医師が働いてOKと判断したから「会社と調整して地域で」頑張ろうパターン。無料で面倒見てくれるが、自分は意味が無いと思ってる。
職場リワーク
企業内で行われる復職支援のためのプログラムです。特に「復職トレーニング」と言えば、こちらを思い浮かべる方が多いのでは無いのでしょうか。(試し出勤と呼ばれる制度も、この中の一部に含まれています。)
主治医が発行した復職OKの診断書を受けて、本当に職場に復帰できるのか?を確認するための準備期間と言えます。内容や期間は企業によって様々であり、その間の給与・休暇の扱い、1日の拘束時間も様々です。目的は、企業が「その労働者が業務に復帰できるか判断するため」なので、合意目的や医療目的ではありません。
ざっくり言えば、医師がOK出したけど、「本当に、もう大丈夫なの?」と確認するパターン。これは治療でも調整でもなく、会社による判断のため「患者(労働者)からすれば完全に意味が無い。」と思っている。
なぜならば、会社としては、「医師がOKを出しても、復職直後に症状が再発したら仕事できない。」そうすれば、振っていた仕事(人員計画)の再調整が必要であり、下手をすればお客さんとの調整や全体スケジュールにまで影響を与えるから、観点とすれば「リスクヘッジ」なのだろうが、その間は給料出ない、有休が減っていく、交通費支給無しや通勤中の事故保証が無いなど、患者からすればデメリットだらけだからだ。
8月からリワーク!!
私が受けるのは、企業リワーク。心療内科への通院は今まで通り続ける予定だけど、心理士のカウンセリングなどは行わない予定。(これ以上、出費がかさむのは痛いからね……。)
1週間~2週間、休職扱いのままトレーニングをするそうだ。有休などの休暇日数が減っていく悲しさは捨てきれないが、まず、「午前中」だけなどの出勤トレーニング、そこから、軽い業務のお手伝いをすることになる――。
私の「とりあえず」の要望は上司に伝えており、了承いただいている認識。別部署からは「休職期間中のサポートして欲しいことがあるか?」などとフォローも入っている状況。(ここまで会社のコアになる方と触れあったのは、初めてかもしれない……。)
リワークをする上での不安な点が一つある。結局のところ、休み扱いのため通勤費用や通勤中の事故は、どう扱われるのだろうかだ。ネットで少し調べてみると、一例として「どちらも対象外」のような記述を見かけた。一般的に考えれば、そうなのだろう。
さて、休職した2か月間、医師以外の人と会話しない生活だったけど、うまく声は出せるだろうか? などと考えるが、大丈夫だろうと少し楽観的。これも、抗うつ薬の効果だろうか。