作品情報:ライト/オフ
基本情報
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題名 | ライト/オフ |
原題 | lights out |
原作 | – |
監督 | デヴィッド・F・サンドバーグ |
脚本 | エリック・ハイセラー |
製作 | ジェームズ・ワン ローレンス・グレイ エリック・ハイセラー |
製作総指揮 | ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター リチャード・ブレナー |
音楽 | ベンジャミン・ウォルフィッシュ |
主題歌 | – |
撮影 | マーク・スパイサー |
編集 | カーク・モッリ ミシェル・オーラー |
配給会社 | ワーナー・ブラザース |
製作会社 | ニュー・ライン・シネマ ラットパック=デューン・エンターテインメント アトミック・モンスター・プロダクション |
製作国 | アメリカ合衆国 |
公開日 | 2016年08月27日 |
作品時間 | 81分 |
出演者 | テリーサ・パーマー ガブリエル・ベイトマン ビリー・バーク マリア・ベロ アリシア・ヴェラ=ベイリー アレクサンダー・ディペルシア アマイア・ミラー エヴァ・カントレル エミリー・アリン・リンド ロッタ・ロステン アンディ・オショー ロランド・ボイス マリア・ラッセル エリザベス・パン アリエル・デュパン |
あらすじ
電気を消した“暗闇”にだけ現れる謎の存在――。
実業家のポールはその存在に殺害され、息子のマーティンもその存在から眠ることが出来なくなった。
マーティンの母は、精神的な病を患っており暗闇に向かって“ダイアナ”というナニカと会話している。
マーティンは姉のレベッカに助けを求めることにした。
マーティンとレベッカの周りで、いったい何が起きているのか?
感想と考察:ライト/オフ
感想
プレデター(頭)とフレディ(手)とアバター(体形)を足して3で割ったようなシルエットだなぁ~。
と軽んじていた人も多いのではないでしょうか。
だからこそ、油断した……。
本作、しっかり怖い! 序盤は笑えるくらい恐いわ。
序盤の電源ON/OFFを繰り返すシーンに始まり、特にマーティンがレベッカの部屋に行った日の夜とかね。ガリガリと床を削るところから、レベッカの方に振り向くシーンとか良くできてる!
エロ・グロを並べたB級洋画ホラーとは、一線を画する映画と言って間違いないです!
中盤の家に立てこもるシーン。
自分がダイアナなら、真っ先にブレーカー狙うわ。
と思ったら、もっと大元から叩くという上を行く発想! やっぱり、自分(ダイアナ)の弱点ともなるとブレーカー程度では、安心できないのかね~。
懐中電灯を使うレベッカに、小さい手で大きなろうそくをもって歩くマーティンの対比が良いです!
「置いていかないでよ!二度と!」のマーティンが可愛いね。
(吹替えで見ています……。)
そして終盤。
「私が居ないと存在できないでしょ?」というソフィーのセリフから、エンディングがもしかしたら……。と思ったけれど、その予想があたるラストになってしまった。
(それはそれで面白いからヨシ!)
ブラックライトが手に入って攻撃方法が分かった時点で、救われると思ったんだけど……。
この攻撃=消滅させる方法ではない可能性もあるんだよね。
ダイアナの特殊な皮膚疾患の症状として「光に弱い」だけであり、「黒いダイアナ」を倒す方法としての提示としては弱いのかもしれません。
(光療法の結果が消失した→でも、ダイアナは存在している。の再現になっちゃう。)
ブレットが良い奴すぎる! カッコよすぎる!
これ、もう主役だろというくらいです。
こんな重要なキャラになるとは思わんかったわ。
レベッカから信頼されてるし、あんな目にあった後で警察と一緒に戻ってくるし、マーティンを抱えるシーンとか、ほんと良い奴だよ。
本作、スタッフロール「前」のエンディングシーン。
これが一番恐いわ。
「日常の暗闇を恐れろ」みたいな演出――。
考察前に少し整理(視聴中メモ)
ナニカの正体は、序盤で説明されたとおり「ダイアナ」。ダイアナは、独特の皮膚疾患を患っていた(が、精神病院のため、皮膚疾患=入院の原因ではない。恐らく、前の病院の暴力事件が原因。)
マーティン&レべッカの母親である「ソフィー」は、幼少期にマルベリー・ヒル病院という精神病院に入院。そこでダイアナと出会い、ダイアナはソフィーを洗脳した。(頭の中に入り込んだ。)
その後、ダイアナは精神病院の光療法により“消失”し、世間には死亡したという新聞記事・ニュースが出回った。
大人になってからも、ソフィーはカウンセリングを受け、抗うつ薬を飲むような生活をしていた。
しかし、カウンセリングをやめ、抗うつ薬を飲むのもやめてしまった。 ←なぜ?
ソフィーは退院、大人になってポールと結婚。
2人の子供(姉・レベッカと弟・マーティン)を授かった。
=ここから作中の話へとつながる=
考察
ダイアナの正体
霊体(悪霊・幽霊)って考えるのが自然だと思うんだけど、幼少期の体格とは明らかに違う。
「幽霊は存在できないでしょ」というソフィーの発言からも、「ダイアナは実在する」と方向性で考えてみる。
ポイントは下記の6点。
2.ソフィーの病気が良くなることに対して、ダイアナは暴力をふるった。
3.ダイアナは院内では、「頭の中に入りこめた」と噂になっていた。
4.ダイアナは光治療にて、死亡ではなく消失した。(真偽不明)
5.熱感知センサーが反応しない ※冒頭のポールがセンサーに手を振るシーンより
6.瞬間移動が可能 ※マーティンとポールのWeb通話より
ソフィーは、ダイアナが消失する前に洗脳されていた。
ダイアナが消失するタイミングで、ソフィーの思念体へと変化した。
というのが考察結果。
思念体という表現が適切か怪しんだけど、イマジナリーフレンドが実体化したようなそんな印象。
「(質量的な意味の)実体は無くて、現象だけがそこに存在する」みたいなイメージかな。
ダイアナは「誰の頭の中にも無条件で入る」ことは出来ないと考えている。
誰にでも無条件で入れるならば、光治療自体を回避することができますからね。
(他の項目でもダイアナの正体について言及しています)
ソフィーが薬をやめた理由
前述の考察から、薬を飲むことによって「思念体を抑え込んでいた」のでしょう。
出産や娘・レベッカとの不仲から、薬だけでは抑えられないことが出てきた。
そんな時に、ダイアナから脅迫を受けたというのが考察。
「自分の子供に手を出さない代わりに、ダイアナの言う事を聞く。(友達でいる)」と脅迫されたと考えました。
簡単に言うと、抗うつ薬でソフィーの体調(精神)が戻ると「ダイアナが存在できない」ためですね。
ポールが殺害された理由
ソフィーを治療しようとしたからでしょうね。
前述の考察の通り、精神が不安定な状態であることが「ダイアナが存在できる状態」なのでしょう。
ソフィーが2人も子供を授かれた理由
純粋に考えると、ダイアナはソフィーを独占したかったように見える。
じゃあ、子供を授かるどころかポールとの結婚も阻止すると考えるのが自然。
元々、退院したタイミング~レベッカを出産するまでは、精神が一時的に安定していたのでしょう。そのため、ダイアナが存在しないタイミングだったから結婚も出産もできたと考えます。
では、マーティンの出産はどうなのでしょう?
レベッカが子供の頃の時点で、ダイアナは存在しています。
ダイアナは、ソフィーと約束(ソフィーの子供達には手を出さない)をしています。
本作を良く見てみると、ラスト以外では「脅すことはあっても、マーティンとレベッカに殺意を向けるシーン」がない。
レベッカ首吊られたけど窒息=脅しが目的。マーティンもベッドに引きずり込まれるだけで問題なし。
(あの一瞬で殺害する能力はあるのよ。終盤シーンを見れば分かるけどさ。)
ダイアナは攻撃的な性格で不器用ながらも、自分の存在が否定されること(ソフィーの精神が安定すること)をしなければ、脅すだけで殺害はしないという、ホラー作品の中では「良い奴」なのかもしれませんね。
(いや、怖いんだけどさ。)
だからこそ、ソフィーの授かった新しい命(マーティン)にも手を出さなかったのかもしれません。
ダイアナは本当に消滅したの?
これは本当に微妙だと思う。だけど、消滅していないと考えます。
ソフィーの“あのラスト”に対して、ダイアナは必至で抗おうとしています。これが「ソフィー」に対してなのか「ダイアナ」に対してなのかが分かりません。
(友人のことを想うやさしさをダイアナは持ってると思うんだよね……。)
じゃあ、なぜ消滅していないと考えるのか?
ソフィーが“あのラスト”を迎える瞬間、「レベッカ」の頭に入り込んだと考えました。
レベッカは、父の死の真相を知り精神が不安定になっていた。
加えて、母・ソフィーの“あのラスト”を目の当たりにしてしまった。
この不安定になった精神に、ダイアナは潜んだと考えます。
本当の最後に登場する車。電灯が「瞬電(一瞬点滅)」しましたね。
エンジン始動時で瞬電したと考えるだけではもったいない。
このシーンは「ダイアナはまだ存在しているよ。レベッカの頭の中にね。」という暗示と捉えると面白いかもしれませんね。
この時のレベッカのセリフが、「戻ってきた」というのも……ね?
英語メモ
släckt
レベッカの部屋に貼ってあったポスターの言葉。
スウェーデン語で意味は「オフ」。
I need help.
ソフィーがレベッカに渡した紙。意味は「助けて」。
直訳するならば、「私は助けが必要です」。
JUST LIKE THE HOSPITAL
地下室に書かれた言葉。意味は「まるで病院と同じ」。
TRAPPED DOWN HERE IN THE DARK
地下室に書かれた言葉。意味は「暗闇の中に閉じ込められてる」。
TRYING TO TAKE SOPHIE AWAY FROM ME
地下室に書かれた言葉。意味は「私からソフィーをみんなで取り上げようとする」。
JUST LIKE FATHER
地下室に書かれた言葉。意味は「お父さんと同じ」。
結び
子供の時に観てたらトラウマになるレベル。
それにしても大きい家だなぁ~。
実業家の家だからなのか、アメリカでは一般的な戸建ての大きさなのか……。
地下室って、なんか憧れる。 ←ホラー映画関係ない!