『ファイナル・デッドコースター』はシーズン初の衝撃ラスト

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作品情報:ファイナル・デッドコースター

基本情報

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題名ファイナル・デッドコースター
原題Final Destination 3
原作
監督ジェームズ・ウォン
脚本ジェームズ・ウォン
グレン・モーガン
製作クレイグ・ペリー
グレン・モーガン
ジェームズ・ウォン
ウォーレン・ザイド
製作総指揮リチャード・ブレナー
トビー・エメリッヒ
マット・ムーア
音楽シャーリー・ウォーカー
主題歌
撮影ロバート・マクラクラン
編集クリス・ウィリンガム
配給会社ニュー・ライン・シネマ
ギャガ
製作会社ハード エイト ピクチャーズ
プラクティカル・ピクチャーズ
マチネー・ピクチャーズ
ザイド/ペリー・プロダクションズ
製作国アメリカ合衆国
公開日2006年09月09日
作品時間93分
出演者メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ライアン・メリマン
クリス・レムシュ
アレックズ・ジョンソン
サム・イーストン
アマンダ・クルー
テキサス・バトル
シャーラン・シモンズ
クリスタル・ロウ
ジェシー・モス
ジーナ・ホールデン
マギー・マ
エクスタシア・サンダース
トニー・トッド
ディラン・バジル
R・デイビッド・スティーブンス
パトリック・ギャラガー

あらすじ

前作から5年後。
高校の卒業イベントにて遊園地に来ていた主人公のウェンディ。

シリーズお決まりの白昼夢(死の予知)を見たウェンディ。
今回の生存者は10人。
果たして死の運命から逃れることができるのか――。

感想と考察:ファイナル・デッドコースター

感想

ジェットコースターが昇っていくシーン。
「そろそろ来るぞ! 大事故が!」というスリルを味わうことができますが、これまでの作品に比べて事故シーンの迫力が少なめに抑えられています。

ケヴィンのセリフから、1作目の事故が6年前の事として語られています。

それにしても、今作の主人公は性格が悪く設定されているなぁ。
アシュレーに電話が繋がらなかったときの「遅すぎね」は、なんの皮肉でしょう。
妹や両親との関係性も悪いように受け取れる形で演出されていますし、なにか意図するところがあるのでしょうか。

日焼けマシーンの出火から葬儀の棺が並ぶシーンへの転換は考えらてますね。
1作目、2作目に比べてゆっくりとストーリーが進む印象を受けました。

今作では、主人公の予知だけでなくデジタルカメラの写真も死の予兆を表すものになっています。そのため、今作では主人公のウェンディと、友人の恋人であるケヴィンで死の筋書きを変えるために奔走します。

ドライブスルーの事故の際、主人公たちの乗った車の横に寄せてきたトラックは2作目の飲酒運転トラック(DRINK RESPONSIBLY! がプリントされたトラック)でしたね。
こんなところで作品の関係性を繋げてくるとは、気が抜けませんね……。

マッキンレーの唱える“死神の反作用の力”によって、「最後に犠牲になる予定のものが自殺すれば順序が狂って解決」というのは面白い発想でした。
「最後の犠牲者は主人公なので、実際には試すことはない」だろうなという点を視聴者側に印象付けていますね。
そして、前作のユジーンが自殺しようとした際に銃が不発に終わったことで、それすらも難しいことをシリーズ視聴者に訴えています。

“死神の反作用の力”の話の後、主人公たちのミスリードを招く誤解がありましたね。
最後に犠牲となったケヴィンとウェンディが死の運命を回避すれば終わる。とありましたが、第1作目の登場人物が漏れなく亡くなっているため、この考えは誤りと言えます。(これがラストシーンに繋がりますね。)

今作では、1作目2作目に出てきたトニー・トッド氏演じる謎の男は出てきませんでした。
しかし、「遊園地での悪魔(デビル)」と「地下鉄の車掌アナウンス」で声だけ登場しています。

「必死に書き換えてきた筋書きさえも、すべてレールの上で定められていたこと。」という受け取り方をしました。
そうすると、「頑張って筋書き(レール)を変えられて良かったね。でも……。」という形でレールが元に戻ると思うと粋です!
本当に見せたい事故シーンがラストにあったからこそ、最初のジェットコースターは迫力を抑えたのでしょうね。

端々でシリーズ作品の関係性を散りばめられている一方で、シーズン初の衝撃のラスト。
予見できても逃れられない運命こそが“死”と言わんばかりです。

考察

入場レーンの「6」と地下鉄の車両番号「180」の強調

車両番号「180」は本シリーズにおける重要な番号ですね。
ジェットコースターの入場レーンの「6」は悪魔の数字から来ているのでしょう。

ウェンディが両親に本音を話せない理由

ウェンディは、両親(や祖父母)と不仲であると推測しました。
両親と妹が出かけるシーンは描かれていますが、ウェンディとはそのようなシーンはありません。
(友人や恋人を亡くしたことに気を遣っているのかもしれないが、声もかけずに記念祭に行くのは不自然。)

また、妹のジュリーが「祖母からもらったブレス」とあるが、妹だけにプレゼントというのも違和感がありますし、それをジュリーからウェンディに説明することにも違和感がありました。

1作目、2作目では少なからず主人公と親の会話シーンがあります。
しかし、本作ではそのような会話シーンがありません。
シーンがないからこそ、ウェンディは家族、親類の中で浮いた存在だったのかもしれません。

(再婚した連れ子、引き取った孤児などの可能性もありますが、作中にはそこまで描かれていません。)

ウェンディの死の予見はマッキンレーなのか?

マッキンレーは本来、ウェンディよりも先に死ぬ運命でした。
そのため、ウェンディの死=マッキンレーに殺されるというものではありません。
これが映画のラストシーンに繋がります。

なぜ、あのタイミングでマッキンレーが死ぬことになったのか?

記念祭での出来事はバタバタと騒がしかったですが、整理すると「死のリスト」を一周したように見えます。

1.主人公の妹・ジュリー→馬に引きずられて死にそうになったところをケヴィンが助ける。
2.ジュリーの友達→ポールが刺さって死ぬ。(リストの順番どおり)
3.ケヴィン→ガス爆発で死にそうになったところをウェンディが助ける。
4.ウェンディ→花火が直撃して死にそうになるも、自分で死の運命を回避。
→死のリストの最初に戻って「マッキンレー」が死ぬことになる。

作中では“死の運命”がウェンディを助けたようにも見えますが、実際には「死のリストが適切に執行された」だけと言えます。
そして、運命が重なった5か月後、あのラストを迎えるのですね――。

英語メモ

DO YOU BELIEVE IN FORTUNES?

オープニングの看板に書かれている言葉。
字幕のとおり、意味は「あなたは運命を信じますか?」

No exit after turnstiles. I’ll see you soon.

字幕では「この先、逃げ道なし」とありました。
英文としての意味は「改札口の後に出口はありません。 また後で。」のようです。

ウェンディからすれば、一般的な看板でさえ“死を予見する言葉”に見えるという演出でしょう。

End of the line.

ラストシーンの車掌のアナウンス。意味は「終点、終着駅」。
このセリフをトニー・トッド氏演じる謎の男(死に通じる者)がアナウンスするということは、「皆さん、お分かりですよね?」という作者から視聴者へ向けてのメッセージでしょうか。

結び

“死の運命”として正しいエンディングを迎えたともいえる本作。
主人公があまり好きになれなかったら、あのエンディングは爽快でした。(えっ?)

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