『#フォロー・ミー』この映画はフォローできない(ちょっと考察)

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作品情報:#フォロー・ミー

基本情報

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題名#フォロー・ミー
原題FOLLOW ME
NO ESCAPE
原作
監督ウィル・ワーニック
脚本ウィル・ワーニック
製作ソニア・リゼット
ウィル・ワーニック
マイク・バンドリー
フィリップ・W・シャルツ
ババカル・ディエン
製作総指揮ナベイド・アンワー
ドン・デルソン
ジェフ・デルソン
ジョイス・デルソン
ケリー・デルソン
ジャスティン・ハートリング
ジョン・イラルディ
デール・シュルツ
トレバー・シュルツ
音楽クリスタル・グルームス・マンガーノ
撮影ジェイソン・グッデル
編集クリス・メルテンス
配給会社バーティカル エンターテイメント
「#フォロー・ミー」上映委員会
製作会社エスケープ・プロダクションズ
製作国アメリカ合衆国
公開日2020年12月11日
作品時間91分
出演者キーガン・アレン
ホランド・ローデン
デンゼル・ウィテカー
ローネン・ルビンスタイン
パシャ・D・リクニコフ
ジョージ・ジャンコ
シヤ
ダニヤー
ディミテル・D・マリノフ
エミリア・アレス
エフゲニー・カルタショフ
アンドレイ・ルンツォ
インジャ・ザルタ
キンバリー・クイン
ラヴィル・イシャノフ
カレブ・ドルデン
セバスチャン・L・ハント
トリスタン・リー・グリフィン
アレン・トーリック
マイケル・クピスク
エミリー・ヒンクラー
エリザベス・ヒンクラー
イライア・マウントジョイ
ジョン・マイヤーズ
シエラ・スワーツ
ステファニー・ウォン
ティア・バレンタイン
ヴィンセント・ディ・パオロ
ドミニク・ペース
ブレット・ジャスティン・コッペル
アルフレド・タバレス

あらすじ

SNS「UPIC」にてブイログ(ビデオブログ)を行う主人公・コール。
彼のブイログのチャンネル「ERL(ESCAPE REAL LIFE)」はフォロワー1200万人を超える人気のブログ。
日常生活に始まりブイログで生計が立てられるようになってからは、様々な恐怖体験への挑戦を動画に残してきた。

そんな彼がチャンネル開設10周年を記念して挑戦するのが、「ロシア・モスクワでの脱出ゲーム」だった。

感想と考察:#フォロー・ミー

感想

「Vlogのチャンネル10周年を記念して、ロシアに脱出ゲーム旅行に来たよ」の説明から始まる本作。

フォロワー1200万人(12.4M)とかすごいな~と思う反面、クドイ。
主人公の凄さはもう分かったって! と思ってからも更に続く。
撮影禁止の場所で撮影するド屑のコールに、妙にテンションの高い周りのメンバー。

もう、全員死ねばいいのに!

と思ってからも、更に説明に次ぐ説明。
なんと、その時間は30分にも及ぶ。

映画の3分の1を過ぎて、やっと「脱出ゲーム」にチャレンジとなる。

長い。クドイ。
これまでの流れに伏線はあれど、意味がねぇ。
なにより、面白くねえ。

そして、やっと脱出ゲームに挑戦!

ここからきっと面白くなるよね? と思ったら、最初からボカシ映像。
これ日本配給だからボカシが入ったのかな?

ホント萎える。

映画は「作品」なんだから、ボカシとか余計な手を加えないでくれ。
興が削がれる。

さて、そこから謎解きとも言えないゲームが始まるわけですが、ゴア表現はしっかりしている反面で謎解きは稚拙というか謎になっていない。
だから、脱出ゲームとしての面白さもないため、「この映画は何を見せたいの?」となる。

途中から、謎の組織が出てきて仲間が全員……。
主人公・コールだけが命からがら脱出して、あのエンディングを迎える。

このオチが無い。

論外という意味ではなく、想定の範囲内であり驚きが無い。
そして、長編映画に採用するのは「夢オチ」くらいにセンスを感じない。
例えば、ショートムービーならこのオチはアリだと思うんだけど、散々に引っ張ってきてこのオチで納得は出来ない。

このエンディングってさ、数多くのパニック映画、スリラー映画の脚本家が捨ててきたストーリー展開だと思うの。
「実はドッキリ」ってのも「行き過ぎた悪ふざけによる結末」も……。

それを引き立てるストーリーラインも演出も無いし、脱出ゲームの「謎解きとスリル」も無い。
全体的に薄っぺらいのよ。

動画配信として、アレクセイが一人でネタばらしするのってパンチに欠けるよね?

ブイログの10周年企画だよ?
これまで応援してきた皆からしたら、ポッと出のロシア人が単独ネタばらしって非難轟々だわ。

だとしたら、コールが出てきた瞬間に「これまで出てきた全員で出迎える」方がパンチがあると思うし、動画としての締りが良いと思うんだけど、そうしない。
「綿密な計画を私たち練りましたけど~」という映像が入るが、杜撰も杜撰。
この映画そのものが「視聴者側の求めるものに気づけていない」という皮肉っぷり。

人をあれだけ殴って撲殺するということは「音」がなっているはずなのに、誰一人として様子を伺いに来ない。
動画配信者のお仲間たちも間抜けが多いってアイロニーかもしれないけれど、本作がそこまで考えて組み立てられているように思えなくて、結局のところ「あのエンディングにつなげる」ための脆いストーリーとしか思えないんだよね。

私はブログを書くために最後まで見たけど、この映画はオススメできんよ。

考察とかじゃなくてさ、純粋に映画を楽しみたい人にほど「やめとけ」って言いたい映画。
フォローミー? 笑わせんな。
フォロー出来ないって!

SNS(動画配信サービス)において「悪ふざけは良くない」って表現なのかもしれないけど、それなら「そういう配信者」と同じ土俵である「動画配信サービス」でやるべきじゃない?

ストーリー以外の感想も少しだけ。

本作のセリフが体感で「3割」くらいがロシア語。
このロシア語に字幕がほとんどついていない。
主人公がロシア語を理解できないから、主人公目線で「理解できるものだけ字幕になっている」と思ったらそういうわけでもない。

作品として配慮が足りていないとしか思えない。

特にライブ配信コメントでロシア語がただただ流れるシーン。
字幕が付いていないから何も感じることができない。
むしろ、「この映画はそういう点で配慮することができない」そういう“映画”なんだと現実に引き戻される。

これは映画(作品)として良い評価はできない。

演出面でも「無音」の表現が多い。
根本的に本作の監督と私のソリが合わないんだと思う。

考察

なぜ舞台がロシアなの?

主人公・コールの先入観として、「ロシアは悪いところ」という描写がある。

そのため、「心理的なプレッシャー」という要素に加えて、外国の常識を知らないことにより、「常識的に考えてあり得ない」という思考が鈍るという点から採用されたのでしょう。
更に、パトロンというか熱狂的なファン(アレクセイ)がロシアに居た事もポイントですね。

(映画的にもブイログ的にも)撮影許可が下りたのが、偶然にもロシアだった――という可能性もあるけれど、それじゃ考察にならないので却下ということで。

ついでに言うと、海外の緊急電話番号を知らないから外部に逃げ出したとしても公的機関に迷惑をかけないという考えもあったかもしれない。

緊急電話番号=警察は日本は「110」、アメリカは「911」。
じゃあ、ロシアの番号は何でしょうか?

――「02」らしいです。

世の中、知らないことが多いですね。

エンディング(オチ)について

映画として、なぜこのエンディングを選んだのでしょうか?

SNS・動画配信者は、どこか常識・倫理観が歪んでいる節がありますね。
(それらについて、この記事・このブログで語ることは無いです。くだらない。)

さて、この映画が公開された2020年よりも後の話になりますが、海外でも「迷惑系動画配信者の事件」が起きています。
日本のように逮捕者が出るだけでなく、本作のようにドッキリにより死者が出ています。
※ドッキリを受けた一般人が動画配信者(仕掛け人)を殺害してしまったようですが、この件で逮捕者は出ていないそうです。

これらのような未来を危惧して、あるいは動画配信者への警鐘として本作のエンディングがこのオチになったのではないでしょうか?

映画のオチとしてはナイと書いたけれど、先見の明というか着眼点は好きだなぁ。

英語メモ

did we all just watch a murder??????

最後のコメント欄。意味は「マジで殺した?」

翻訳サイトでは「私たちは殺人を見たの?」という意味になりました。

is he alive?!?!?!

最後のコメント欄。意味は「生きてる?」

結び

水中で酸素スプレーを使うシーンがあった。

あれって、酸素以前に水が口の中に一気に流れこまないのかな? と疑問に思ったのだが、よくよく考えると「スポーツ用の口を覆うタイプ」じゃなくて、「スキューバダイビング用の口にくわえるタイプ」だった。

映画に関係ないことの方が興味がわいた。そんな作品。

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