最終巻読みたくない病とは
「漫画・コミックの最終巻を読めない、読みたくない」という想いに悩まされる病です。
ゲームのストーリーが分かった時点やラスボス直前でプレイを辞めてしまう「クリアしたくない病」や、アニメやドラマで最終回だけ見れない、見たくないという「最終回見たくない病」のように「漫画・コミックの最終巻を読めない、読みたくない」となることがあります。
大好きな作品なのに、なぜ突然読めなくなってしまうのでしょうか。
最終巻読みたくない病の原因
大きく2つのパターンに分かれます。
好きな作品の終わりを受け入れられない。
1つ目のパターンは、「好きな作品の終わりを受け入れられない。」というパターンです。
特に日常系の作品は、各話各話の小さなストーリーのまとまりが集まって、作品が出来上がっています。極論を言えば、日常系作品に終わりなんて無いのです。主人公たちが全員死ぬようなバッドエンドでもない限り、作品が終わってもキャラクターたちは生き続けます。その姿を見れない悲しみ(喪失感といってもいいでしょう)に耐えられないことが大きな原因です。
飼っていた家族同然のペットが亡くなるとペットロスにかかったことがある方もおられるのではないでしょうか。好きな俳優・女優さんが亡くなったり、好きなアーティストグループが解散したりといったときにも、○○ロスという言葉を使います。
「好きな作品の終わり」を受け入れられない、○○ロスを避けるための自衛の心が最終巻読みたくない病を引き起こすのです。
読まなくてもいいと思ってしまう
2つ目のパターンは、「読まなくてもいいと思ってしまう」というパターンです。
たとえば、ストーリーや展開が解ってしまい(予測できてしまい)読まなくていいや。となったり、最終巻までの過程で、作品自体に飽きてしまい読まなくていいや。となったりします。
私は飽きるときは、最初の1巻目で飽きてしまいます。最終巻前までは読んで、最終巻は読めないけど、ネットでネタバレ記事を読んで「はい、おしまい」とすることで自分で納得できる方もいます。
2つのパターンは全然違う!
1つ目のパターンが、作品に対する愛情(熱量)が強い点と比べると、2つ目のパターンは、作品に対する愛情(熱量)が弱くなっていく点に大きな違いがあります。
また、上記以外のパターンもあり最終巻(最終話)や最終巻に向けてストーリーが進んでいくことに対する緊張感・プレッシャーを感じて読めなくなっていしまうパターンというのもあります。
最終巻読みたくない病の治し方
あくまで自分自身の治し方ですが、まずは葛藤してみます。
このまま作品を読まなくてモヤモヤするのと、作品を読んである種の喪失感を味わうのとどちらが良いのかと――。ですが、大抵の場合は結論は出ません。結論が出るなら、きっと、悩みになっていないでしょう。しかし、作品によってはここで踏ん切りがつくかもしれません。
葛藤しても読めない。となった場合は、強硬手段に出ます。
文字を読まずに、ページをめくります。(1話分くらい……)文字を読まなくてもいい、ただ絵が流れているだけと自分に言い聞かせて、ページを捲っていると、自然に文字を読みはじめています。私は1つ目のパターンにある喪失感が嫌で読めなくなるのですが、最初の1歩が踏み出せれば、あとは気が楽です。
また、電子書籍を利用するのも1つの手です。
紙の本だと読んでいるうちにページが減っていくことを肌で感じてしまうため、喪失感を煽ったり、プレッシャーに感じたりすることにつながります。電子書籍リーダやアプリを利用すれば、通常読書中はページ進捗は隠れているのでわかりません。(アプリやリーダによります。)
最後に
「最終巻読みたくない病」と言ってはいますが、本当の病気ではないのであまり気にしすぎない方がよいです。(いわゆる、5月病のようなもので、気にしすぎると、本当に心療内科のお世話になる可能性もあります。)
打ち切りされたコミックにても、堂々と完結を迎えたコミックにしても、作者の方は「カタルシス」を意識して作品を完結させているはずです。最終巻を読まないのは、作者の方に失礼。というのはもちろん意見としてはあるのでしょうが、私としては、素直にその「カタルシス」を感じたい。と思っています。
読み終わった後、喪失感よりもカタルシスが上回ることを期待して――。