作品情報:人狼ゲーム ビーストサイド
基本情報
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題名 | 人狼ゲーム ビーストサイド |
原題 | – |
原作 | 人狼ゲーム BEAST SIDE/川上亮 |
監督 | 熊坂出 |
脚本 | 山咲藍 |
製作 | 永森裕二 種子島幸 江副純夫 小野寺廉 |
製作総指揮 | 吉田尚剛 |
音楽 | スパン子 |
撮影 | 松井宏樹 |
主題歌 | 吉利麻里/Verite |
配給会社 | AMGエンタテインメント |
製作会社 | スタジオブルー |
製作国 | 日本 |
公開日 | 2014年08月30日 |
作品時間 | 112分 |
出演者 | 土屋太鳳 森川葵 青山美郷 藤原季節 佐久間由衣 小野花梨 加藤諒 育乃介 國島直希 桜田通 |
あらすじ
高校生男女10人。
建物内で命を懸けた人狼ゲームをすることになった。
10人の中に人狼は2人。主人公は人狼だった……。
感想と考察:人狼ゲーム ビーストサイド
感想
前作『人狼ゲーム』で「ひどい」って書いたけど、本作も中々……。
まずはキャスティングについて触れておきましょうか。
私は、土屋太鳳さんが嫌い。
一方で、森川葵さんと加藤諒さんが好き。
だから、プラマイゼロ。
主人公が嫌いな女優さんの時点で、大きなマイナス印象を抱えてからのスタートとなりました。
次に音楽(BGM)ね。
前作では一切なかったのが、本作では最初・最後を含めて全9か所でついていました。
ただ、このピアノの主張が強い。強すぎる。
毎回BGMがピアノだけで構成されているし、BGMがフェードとかせず突然強い音が来るから、かなり浮いてる。
「無いよりは良い」けど、「う~ん」と渋い顔になります。
次に映像のこと。
1つはビデオテープのシーン。あれおかしくない?
前作では登場人物の1人がビデオテープをデッキに入れて再生ボタンを押すんだけど、本作は自動再生になっている。
「テープが出て再生が始まり、終わるとテープが戻っていく」って何を表したいの?
奇妙奇天烈摩訶不思議な何かが発生したことに驚きもしないのも気持ち悪いし、すべてが“奇妙”と言わざるを得ない。
あとはカメラね。
意図してるか分からないピンぼけが多数。
違和感のあるカメラのズームもある。
小刻みに映像がブレている箇所も多い。
これ劇場で放映された映画なの?
「高校生が人狼ゲームやってみた」の映像をプロが頑張って編集しました!
という方がしっくりくるよ。
そのぐらい映像に違和感がある。
「PoV形式にして、登場人物の持つ スマホ or カメラ で撮影した映像を生き残った一人が届けた」
それを制作会社が見つけて編集しました――って設定(ファウンド・フッテージ)だったら、一気に面白味が上がるんだけど、今の状態から何かもう少し何か捻りが欲しいなぁ~という感じです。
ストーリーについても微妙。
前作と同じで、あんまり中身が無いように感じました。
誰が誰か分からないままストーリーが進むのもしんどいし、パニックも多くて観ていてツライ。
あー、倍速再生する人ってこういう感覚かな~ と思うレベル。
※それでも、倍速再生せずにちゃんと観ました!
1人目が死ぬのが遅いから、映像というかメリハリが無いままダラダラダラダラ進んだ前半。
かと思えば、一気に泣き叫びパニックになり「ウルサイ」。
共有者が片方だけ名乗り出て、もう片方は名乗り出ない。
だから、私(共有者)をマモッテ! キョウダケデイイカラ! みたいなのは不思議だった。
私は人狼ゲームやったことないから、この手の定石が分からないのよね……。
だけど、素人ながらに本作における必勝法を考えたから下に晒しておきます。
前作を踏まえて、何も期待せず観たの。
ゴア表現もストーリーもBGMも何もね。
本作は「キャットファイト」が多数ある。
いや、何も期待してないけど、「キャットファイトを見るために、映画を観てるんじゃないんだわ」というのが率直な感想。
預言者・用心棒が「実は○○でした」というのがオチというか、出汁に使われてる。
本来ならさ、「それが誰なのか」「一体誰が誰を守り、誰と繋がり、誰と組んでいるのか?」という人狼サイドからの疑心暗鬼とか、裏切りを見たいんだけど、無理なんかなぁ? と残念。
途中で人狼がが1人バレちゃうけれど、そいつが村人と交渉をする。
その時に、しれーっと「もう1人の人狼が未だに生きている」ことを前提に話をしていて、誰もそれを疑っていないし、攻めたてもしないのが気持ち悪い。
エンディングについては、分からなくも無いんだけど、どうにも「微妙」の域を抜けないね。
考察前に思った本作の人狼サイド必勝法
その1. 前作の記事で書いた内容
詳細は前作の記事を読んでください。
その2. 強制執行パターン
ビデオで説明のあった「拳銃には6発の弾丸」という表示があった。
この時点で、人狼が「拳銃で6人を殺害」すれば、村人と人狼は2人2人の同数になり、即時人狼サイドの勝利になる。
少なくとも1回戦を突破している人間なら、もう少し頭使って立ち回ってもいいのにね。
1回戦も踏まえてパニック起こして、「暴発したの! わなわな~」ってだましてりゃ数人は殺せるでしょ。
そもそも、「人狼ゲーム」は指名されたものが自動排除されるのに対して、本作では「村人たちで排除しなければならない」のです。
これは力が無いとできない。
であれば、力の強い男を中心に拳銃で殺すもよし、弾を残しておいて排除されそうになったタイミングで抵抗するも良し。
映画だからそれは無いんだろうけど、「ビーストサイド」には、もう少し頭使った立ち回りを期待してたからガッカリよ。
その3. 正攻法パターン
本作だとさ、2日目朝の時点で人狼サイドが確定で勝てるルートがある気がした。
テーブルで会話するゲームとしての「人狼ゲーム」と違って、本作は建物内を自由に移動できる。
だからこそ、個々での会話やグループを作成、共謀もできる。
これならば、人狼サイド2名が村人2名を抱き込むのが最良なんじゃない?
2日目朝の時点で「村人による人狼投票」「人狼による村人殺害」の2名減で「村人は人狼を含めて8名」になる。
この時点で、半数の「4」でグループを取れば負けは無い。
人狼=2名、村人=2名の両名で「ビーストサイドの勝利」が確定するし、お金に執着している訳じゃなければ「人狼陣営の1億円を4人で山分け」でハッピーエンドだろ。
投票は確実に「人狼グループではない人間」になり、人狼は「毎晩1名を殺せる」から確実に勝てる。
抱きこむ村人も、投票で死ぬことは確実に防げて、人狼勝利のために夜殺されることも無い。
これが私の考えた正攻法の必勝法ね。
では、考察に進みましょう。
考察
美海が死んだ理由
作中の「人狼ゲーム」には明かされていないルールがあるように考えられます。
その1つが、「負け陣営は死亡」というもの。
というより、「村人陣営が負けた場合、生き残った人間がいても死亡」となるという表現が適切かな?
だから、「人狼と村人が手を組むのはNG」という後だしルール。
上で考えた「正攻法の必勝法」では勝ちが確定するが、村人の死は避けられないことになる。
しかし、このルールは気持ち悪すぎるね。
勝利で得られるのが「1億円」という軸になっているなら、敗者が奪われるとしても「お金」または「相当の代償」にとどめるべきでしょ。
更に言えば、「建物から出られない」「人狼ゲームの放棄は死亡」は陣営に関係ない共通的なルールのもとに存在するから、ゲーム終了後は「平等にルールから解放されるべき」であると考えます。
ここがブレるのはデスゲームとして気持ち悪い。
黒幕・犯人が自己満足・独断でやってるなら良いけど、例えば、『賭博黙示録カイジ』のように出資者や観客がいるような場合は、こんな“ぬるい設定”で楽しめるんかね?
「人狼ゲーム」をデスゲームに置換するなら、もう少し、ちゃんと設定を練らないと厳しいよね。
原作では描写されているのかもしれないけれど、映画では設定が甘いように感じてならない。
だから、「負け陣営だから死んだんだー」で考察終わらせた方が良いです。
じゃないと、本作の粗がドンドン出てきそうで……ね。
例えば、美海が自分を指して自死する道もあったわけよ。
でも、「お前に耐えられねーだろ!」って某キャラクターを頭ごなしな意見で指すのは、その先に「負け陣営は死ぬ」という隠されたルールを知っていての行動にも思えるのよね。(まぁ、考察はこの辺で止めておきますわ。)
結び
全然関係ないけれど、本作は左利きの人が多いね。
森川葵さん演じる美海、桜田通さん演じる藤堂の二人は少なくとも左利きだった。
役柄として左利きなのか、作中設定として左利きなのかは分からない。
突発的な攻撃を防ぐためにも、利き手の確認は重要なのよ!