『ズーム/見えない参加者』は考察しがいの無いチープな作品という印象(でも考察する)

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作品情報:ズーム/見えない参加者

基本情報

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題名ズーム/見えない参加者
原題Host
原作
監督ロブ・サベージ
脚本ジェマ・ハーレー
ロブ・サベージ
ジェド・シェパード
製作ダグラス・コックス
クレイグ・エングラー
エミリー・ゴット
サミュエル・ジマーマン
編集ブレナ・ランゴット
配給会社Vertigo Releasing
製作会社Shadowhouse Films
BOO-URNS
製作国イギリス
公開日2020年07月30日
作品時間68分
出演者ヘイリー・ビショップ
ジェマ・ムーア
エマ・ルイーズ・ウェッブ
ラディナ・ドランドヴァ
キャロライン・ウォード
アラン・エムリス
パトリック・ウォード
エドワード・リナード
ジニーロフトハウス
セイラン・バクスター
ジャック・ブライドン
ジェームズ・スワントン

あらすじ

コロナ禍によりロックダウンされた。
ヘイリーはオンライン会議アプリ「Zoom」を利用して、交霊会を行うことにした。

しかし、その交霊会で思いもよらないことが起きるのだった。

感想と考察:ズーム/見えない参加者

感想

「う~ん。」

これが感想。これが全て。

本作は監督のロブ・サベージさんのイタズラらしいです。
それを起点に、1本の映画が出来上がるのは素晴らしいことだと思うの。
それもロックダウンをはじめとする外出制限が出ている状況下なのだから、否定的な意見は出したくない。

が、ダメだ。

映画好きとして、この映画に良い印象は持てない。

何故か?

・音楽が無い。
・ストーリーが無い。

・恐怖が「ジャンプスケア」のみで構成されている。
・ジャンプスケアも一部を除いて稚拙な印象を受ける。
・モキュメンタリー/ファウンド・フッテージに徹したら最後のメイキング映像は不要だろ!!

挙げだすとキリがなくなるが、「ここから面白くなるのかな?」「これが伏線なのかな?」と思っていたら映画が終わる。

いやいや、始まって無いから!

ホラー映画にありがちな「序盤でまず誰かが死にます」で映画が終わったような感じ。

ん? 終わり!?

起承転結の「起」で終わらせるって展開を採用したのが一番恐いわ!

ジャンプスケアは「ビックリする」けれど、それは恐怖とは別物なのよ。
そこの捉え方が違うと駄作だと感じちゃうんだよね。
モンスターパニックやスプラッターのゴアは、それはそれで一ジャンルを確立してるけれど、ジャンプスケアだけで映画構成するのは確立してないでしょ。それは「ストーリー(脚本)」を引き立てる演出要素の1つだからなんだよね。
そういう事を再認識させてくれる映画だった。

あと映画の冒頭は朝~昼で、Zoom会議が40分なんだけど、いつ夜になったの? とか、疑問点はいくつかあるんだけど、それは低予算B級映画だから、そんなもんさと楽しみましょ!!

最後に悪霊登場シーンをスロー再生して確認したけど、「見えない参加者」ってがっつり化け物が見えてる

邦題で「嘘」と「ネタバレ」は、ダサい以上にやめて欲しいわ。
原題そのままの「ホスト」を避けたのは正解だったと思うし、「ズーム」だけだとネット検索で上手く上がらないからマーケティング的にサブタイトル付けるまでは良いんだけど、「見えない」は嘘じゃん。

悪霊さんも見えてるじゃん。邦題付けた人は映画をちゃんと観たのかな?

考察

この映画の表現したかったことは?

マスクだ~コロナだ~ロックダウンだ~と、作中で「時勢」に触れる珍しい作品。

病魔に対する不安もあるだろう。
今後どうなるのか社会的に金銭的に不安が続くだろう。
映画をはじめとするエンターテイメントの業界も制限を余儀なくされる。

でも、こういう状況下だからこそ表現できることがあるんだぜ!

という不自由へのアンチテーゼと受け取っておきましょうか。

悪霊の正体は何だったのか?

って、分かるわけないでしょ。

そもそもで「人間じゃない可能性」すら十分にありえるのよ。
と言いつつ、フラッシュしたシーンをスロー再生で確認したら「人型の化け物」がしっかり映像に残ってる。
でも、「通常の世界では言葉が通じないペット」でさえ意思疎通が出来るって言ってるのに、悪霊と意思疎通出来てないじゃん。

まー、まとめると悪ふざけで交霊会をしちゃダメってこと。

存在しない霊を呼び出そうとしたから、「誰でもOKの招待状になりました」ってのも理屈が良く分からん。
Zoomのゲスト参加とか、何等かのつながりがあるなら分かるのだが、そこまで考えられていないんだろうな。

【ネタバレ注意】この映画は結局何が起きたの?

悪いとまでは言わないけれど、あまり好きになれない作品だったので、自分の中の理解を書き出しておきます。

※ちゃんと観ていない(理解しようとしていない)のに好きじゃない! というのは嫌なので、真摯に向き合い考えた上で「好きじゃない」という結論を出したことをお見知りおきください。

1.Zoomを使って交霊会を開くことにしたハリーと友人5名。
2.交霊会のやり方は、ハリーの知り合いであるセイランに教えてもらう。
3.セイランもZoom交霊会は初で何が起こるか分からない。
4.やってみた&ふざけちゃった。
5.トラブルでセイランがオフラインになる。
6.電話で聞いたら、ふざけたから「悪霊」を呼び出したことが明らかになる。
7.そのまま、セイランの指示に従い交霊会を終了する。
8.だけど、時すでに遅し。全員――。

これを踏まえて考えてみます。

まず、交霊会は「ネットで繋がっているようで、個々の家で行われている」状況になっていた。
そのため、1体の悪霊が「全員を殺害した」という解釈よりも、それぞれの自宅に「別の悪霊が降霊した」と考えるほうが自然。
だとすると、それぞれの殺し方(表現)に違いがあることは理解できる。

「ネット」「Web」というもので繋がっている現在。
コロナにより制限されても“つながり”を感じられる。
一方で、何か起きた時に歯がゆい思いをするほど脆いつながりであることの表現ではないだろうか?
(そこまで考えて作ってるかなぁ?)

更に言えば理解できないことも多々ある。

「同時に襲われない」こと、「不自然にPCを持ち歩くこと」、「スマホのライトで照らすのではなく、ポラロイドカメラのフラッシュを利用すること」、「悪霊を素手で触ろうとすること」などが挙げられる。
これらの不自然さが、低予算PoV形式の映画の弱点なんだよね……。

それを「仕方ない」で片付けてしまうのは、エンターテイメント作品として残念なんだけど「仕方ない」んだろうね。

もう少しストーリーがしっかりしていたら、「ハリーの気が立っている理由」や「セイランの存在」「現象、殺害の順番」についても考察できるのですが……。
ストーリーの中身が空っぽだから考察するための「情報」が足りないので、考察しがいの無いチープな作品という印象を受けました。

英語メモ

This free meeting has ended

本編最後の画面に表示されたダイアログ。意味は「ミーティング終了」。

無料版Zoomには、「会議時間の上限が40分間」という制限があり、それを迎えたという通知です。

結び

PC画面映画の先駆け――と思ったら、2020年の作品!
本作より良い印象を受けた『アンフレンデッド』は、2014年の作品。
これはパクリと言われても仕方ない気もする……。
だけど予算3万5000ドルで、44万ドル以上の興行収入を得たんだから「勝ち」でしょうよ。

ただ、日本の会議以上に「このWeb会議には価値がない」と思った。

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