作品情報:連続殺人鬼カエル男
基本情報
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題名 | 連続殺人鬼カエル男 |
原題 | 連続殺人鬼カエル男 |
原作 | 中山七里 |
プロデューサー | 池田篤史 林絵理 岩本勤 |
監督 | 熊澤尚人 |
脚本 | まなべゆきこ |
企画 | 宮本敬 小寺健太 柳原祥広 |
製作 | 堤天心 岡田美穂 |
音楽 | 安川午朗 |
主題歌 | Qyoto/遥か先のX-DAY Qyoto/淡すぎる期待と苦すぎる誓い |
製作会社 | U-NEXT カンテレ |
製作国 | 日本 |
公開年 | 2020年 |
話数 | 全8話 |
出演者 | 工藤阿須加 鶴見辰吾 野波麻帆 前田航基 水澤紳吾 永岡佑 希志真ロイ 堺小春 吉澤健 黒川想矢 嶋田久作 落合モトキ 佐藤二朗 |
あらすじ
マンションに吊り下げられた女性の死体。
その傍には、「きょう、かえるをつかまえたよ」と犯人が残したであろう手紙があった。
更に事件は続き、マスコミは犯人を『カエル男』と称するのだった。
感想:連続殺人鬼カエル男
感想
『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考に残った中山七里さん原作のドラマ。
前半では、マンションにつるされた遺体に、極めつけは小学生をバラバラにして殺す始末。
そして、これらの犯人は精神疾患者の可能性があるのではないか? という、テーマ選定が凄いよね。
刑法第39条【心神喪失者は罰しない】がテーマって、軽はずみに扱って一歩間違えると炎上しそうなテーマだからね……。
中盤のパソコンのタイピング演出が適当すぎるのは、もう少し何とかしてほしかったね。
カナ入力とかローマ字入力とか、そういう話じゃなくて「ひらがなも漢字も1文字ずつ描画されるってのは適当がすぎるって。
画面だけ映すなら俳優さんじゃなくて、他の人が代理でも問題ないのに、なぜそこに拘らないのよ。
警察に乗り込むことで、公務執行妨害が付くだろうし、警官を殴ってる時点で暴行罪も適用されるのかな?
正常な思考を失っているとは言え、ここまで短絡的な行動に出るかね?
そもそも、それだけ徒党を組んで前科・前歴を恐れないなら、犯人を返り討ちにする方を選ぶんじゃねえの?
なんか、流れが好きになれないなぁ。
前半で抱いていた「本作はすごい」って思いが、徐々にズレ始めた。
精神疾患を持つ男・当真がカエル男であると自供して逮捕される――となりつつも、このオチでは「すごい」とはならんやろ。
だとしたら、歯科のカルテって提示された時点で、“あの歯科助士”が怪しいんじゃないかな? しかし、衛藤を殺した時に噛まれた指の傷が無い……。
という事は、握力の話もあったあの人だよね。
最終話の1話前(第7話)のラストで、予想していた別の登場人物に疑念の目が向く。
やっぱりね。
『このミス』大賞の最終選考って、もっと驚かせてくれると思ったけど、この程度か?
と思った矢先ですよ。
いやー。やるね。すごい。舐めてた。
カエル男→真犯人→黒幕→……。
特に最終話のラスト数秒。久々に痺れた。
素晴らしい。
むしろ、これが大賞じゃないって『このミステリーがすごい!』大賞のレベル高すぎるだろ!!
本作のストーリーが面白いことは大前提として、テーマが凄い。
1.精神疾患者が殺人鬼の可能性がある(刑法39条)
2.小学生のバラバラ殺人
3.自分の子供を殺す
これらが組み合わさっている作品って、なかなか無いよね。
他の『このミステリーがすごい!』大賞も観てみようかな?
結び
精神疾患者ならば、何をしても罪に問わない。
第39条の必要性は常に問われているように感じるけれど、こういう作品を通じて関心のない人が興味を持つ“きっかけ”になるエンターテイメント作品というのは素晴らしいね。
あと、本作が『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考だった第8回ですが、大賞を取ったのは太朗想史郎さんの『トギオ』と中山七里さんの『さよならドビュッシー』です。
しかも、この『さよならドビュッシー』が中山七里さんのレビュー作。
1961年生まれで2001年デビュー。だいたい50歳のころ……。
当初は会社員との兼業で小説を書いていたって。
小説家業界は詳しくないから“遅咲き”という表現が適切か分からないけれど、30代の私にとっては「今からでも遅くない! 私にも何か出来るんじゃないか?」と勇気をもらった気がします。