『陸王』悪役銀行・大手メーカーと闘うマラソン足袋の開発ストーリー

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作品情報:陸王

基本情報

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題名陸王
原題陸王
原作池井戸潤
プロデューサー伊與田英徳
飯田和孝
川嶋龍太郎
監督
脚本八津弘幸
吉田真侑子
演出福澤克雄
田中健太
製作TBS
音楽服部隆之
主題歌Little Glee Monster/Jupite
Little Glee Monster/糸
監修原晋(陸上総監修)
製作会社TBS
製作国日本
公開年2017年
話数全10話
出演者役所広司
山﨑賢人
内村遥
吉谷彩子
春やすこ
正司照枝
上村依子
阿川佐和子
志賀廣太郎
上白石萌音
檀ふみ
光石研
天野義久
寺尾聰
キムラ緑子
市川右團次
竹内涼真
音尾琢真
和田正人
宇野けんたろう
前原滉
花沢将人
佐藤俊彦
石井貴就
安藤勇雅
小石周平
ジョセフ・オンサリゴ
佐野岳
山本涼介
ピエール瀧
小籔千豊
風間俊介
馬場徹
桂雀々
山本里菜(TBSアナウンサー)
松岡修造
岸祐二
緒形敦
初田啓介(TBSアナウンサー
石井亮次(CBCアナウンサー)
増田明美
サイラス・ジュイ
内場勝則
井上肇
原アンナ
小松利昌
中西麻耶
鳥居みゆき
山本圭祐
神林勇太
イエゴ・エバンス
松尾諭
木村祐一
板垣雄亮
菅谷哲也
大西武志
原晋
ヨネスケ
上杉祥三
遠山俊也
矢野浩二
斉木しげる
堀尾正明
瀬古利彦
小須田康人

あらすじ

創業100年の歴史ある足袋メーカー・こはぜ屋。
業績が低迷する中で異業種である「ランニングシューズ」の開発に取り組むのだった。

感想:陸王

感想

男性陣の渋いキャスティングが光る本作。
役所広司さんをはじめ、志賀廣太郎さんに寺尾聰さん、内村遥さん、音尾琢真さん、斉木しげるさんなど挙げ始めるとキリがない(ホント!)。
女性陣もベテラン勢はいう事無し。

ただ、若い世代は男女ともに「う~ん」という感じ。
茂木選手(竹内涼真さん)や平瀬選手(和田正人さん)、銀行員・大橋(馬場徹さん)などなど、池井戸潤さんのドラマでは鉄板の配役で良いんだけど、風間俊介さんや山﨑賢人さんや上白石萌音さんや吉谷彩子さん等の若い配役がしっくりこない。
悪いって意味じゃなくて、作品(画)として歯車がかみ合っていないような、作品から浮いているような印象を受けたんだよね。
渋さとのギャップなのか、表現が難しいなぁ。
(でも、風間俊介さん演じる坂本さんの善人っぷりが好きなんだよね。)

こはぜ屋の従業員の熱量がすごいよね。
買収騒動の時もそうだけど、「社名」とか「会社の在り方」に誇りを持ってんだよね。
それにシューフィッターの村野さんの<選手を支える>仕事の向き合い方も、特許を取得して維持費を払い続けていた飯山顧問の<過去の栄光>も……「仕事の向き合い方」を考えさせられるドラマになっています。

そんな想いを受けて変わっていく紘一の息子・大地の描写が良いんだよね。
特に飯山顧問との掛け合いが魅力的で、特に好きなのが飯山顧問が大地に言った第3話ののセリフ。

旨くなかったろ。何かから逃げ出すために飲む酒は――

引用元:陸王

このセリフが心に刺さるんだよね。
親と同世代の大人から、説教ではなく“諭される言葉”を掛けられる機会って中々ないもんだからね。
最終話でも、この2人の掛け合いがあるんだけど、これがまた良い。ぜひ、注目してほしい!

池井戸潤さんの作品って、GIANT KILLING(大物食らい)というか「中小企業が大手企業・銀行相手に戦う」というのが多いんだけど、大企業とか銀行に恨みでもあるんか? と思ったら、池井戸潤さん自身が元銀行員みたいね。その銀行を32歳で退職して紆余曲折を経て、数多くのヒット作を生み出す小説家になったと……。

自分の過去の経験を活かして、小説家デビューが35歳なんだってさ。
「何かを始めるのに遅いということは無い」ことを体現しているのがすごい。

集団左遷』のように「頑張れ!」を押し付けることなく、“諦めないことの大切さ”を表現された本作の素晴らしさ。

大企業には大企業の金銭・社会保障といった安定ややりがいがあるんだろうけど、私は中小企業の方が好き。
「個々の力が発揮できている」ということが実感できるからね!
悪く言えば属人化してるとも言えるんだけど、自分がいなくても「何不自由なく会社が回ること」って少し虚しくないかな? ……なんてね。

色々考えさせられると同時に、安定して面白い池井戸潤さんの作品は安心して観られる。

結び

本作観てる時に、ふと感じたこと。

もしも『忍たま乱太郎』を実写化するなら、山田先生役は音尾琢真さんに演じてほしい。

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