作品情報:ドアD
基本情報
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書籍名 | ドアD |
著者 | 杉山敏 |
原作 | ドアD 8.1 |
原作者 | 山田悠介 |
キャラデザ | – |
ページ数 | 189ページ |
発売日 | 2006年03月24日 |
出版社 | 幻冬舎コミックス |
レーベル | バーズコミックス スペシャル |
ASIN | B0098INJTE |
ISBN | 978-4344807211 |
状態 | 完結 |
巻数 | 全1巻 |
あらすじ
山田悠介さん原作の話がオムニバス形式でコミカライズされたコミック。
収録作品は「ドアD」「8.1」「ジェットコースター」の3作品。
感想:ドアD
感想
私は、山田悠介さんの原作小説を読んだ事無ければ、映画も観たことありません。
学生時代に小説が流行っていたなぁ~というのと、『リアル鬼ごっこ』は耳にしたことはありますが、実際の中身までは観たことないので、本作が「ストーリー」に触れる初めての機会となりました。
まず、絵が苦手。
本作の中身から考えたら、もっとリアルに描く人の方が良かったんじゃないの? というモヤモヤが残りました。
話の中身で言えば、「えーと。うん。なんか薄っぺらいなぁ。」というのが読後の感想。
オムニバスだからしょうがないだろ!
という声があるかもしれませんが、本作は1冊で700円を超える金額です。
その料金に見合った中身か? と問われれば「No」と断言できる。
オムニバスであることを理由に「薄っぺらい」を許容してはならない! そうするのなら、「薄っぺらい」を許容できるほどの値段設定にしてほしい……。
値段の妥当性は、出版社が決めることなので置いときましょう……。
さて、感想ですがオムニバス形式なので、1話ずつ感想を書いていきましょう。
1作目:ドアD
ページ数の関係なのか、登場人物が短絡的で思考が読めない。
上から押しつぶされるとこも肉片が飛び散らないってどういうこと?
あとから血が流れてくるけど、そんなに量が少ないって柱の中では何が起こってるの?
ちゃんと描写して! というのは置いといて……。
もしかしたら、「ちゃんと考えれば全員助かるかも」という点も、次のステージ以降で「明らかに数が減少した設定」になっており、それを裏付けるものって何一つ描写されていないとおもうんだよね。
「小さく変な音が聞こえる」というのも、そのセリフを出す前にコマの端とかにちょっと文字を書いてくれてると分かりやすいんだけど、あの表現だけでは「それが実際に存在する音」なのか「実際にはそんざいしない幻聴」なのかを判断できる材料がなくて、その後に登場するソレについても、「はぁ。そうですか。」としかならない。
虫の描写はリアルだったから、虫関係のコミックならば~と思ったら、作者の杉山敏さんは虫関係のコミック『インセクツ』を描かれているという……ね。
ドアDの「D」は何だろう?
と考えようかとも思ったけど、そこまで自分の中に価値を見出せなくてやめました。
最後の「岩壁」に「マイナス型のネジ」で板を止めているのも違和感があったし、狙った「違和感」の演出なのか分からないから、あんまり面白さを感じ取ることが出来なかったです。
2作目:8.1
ストーリー自体は好きで、どんでん返しがあるのは良かった。
けれど、この2つは好きになれなかった。
1.正体が幽霊
2.四肢欠損ネタ
1つ目の幽霊は、ストーリーが短絡的で「なんでもあり」になること。
ノックスの十戒じゃないにしても、「超自然的なナニカ」はストーリーがぼやけちゃうんだよね。本作で見せたいものが「幽霊的なホラー」であれば、それでも良いんだけど、どんでん返しの面白さがかすんじゃった気がするのよね。
2つ目の四肢欠損は、私が「苦手」ということ。
これは差別的な話では無くて、生理的に受け入れられない。この手の話が出たら、作品を読むのやめるくらいに苦手。
例えばで言えば、『少年ラケット』とか『29歳独身中堅冒険者の日常』とかね。
だから、本作は「面白い」と感じることは無いかな。
3作目:ジェットコースター
「は? だから何?」しか残らなかった。
「スリル」がどうこう言う箇所があったけれど、スリルを感じることが出来なかった。
映像化されたら『ファイナル・デッドコースター』みたいで面白くなるかもしれないけれど、ラスト(と冒頭)がこの展開だと面白さのポイントが合わないまま終わりそう。
心が動かないから、何も書けない……。
結び
山田悠介さんは学生時代に流行してたけど、小説は面白いのかな?
あるいは、映画を見れば面白さが分かるのかな?
過去に流行していたこともあって、山田悠介さん作品に対するハードルが上がり過ぎていたのかもしれないけれど、この薄っぺらい内容で本書を読んで「面白い!」と思える人は、他の何を読んでも「面白い!」と思えるんじゃないかな?
本作を面白いと言えるならんて、素晴らしい感性をもっていて羨ましいよ。(アイロニーを込めて。)
この作品の値段も相まったガッカリ感が強くて、山田悠介さん作品はもういいかな。