作品情報:マンホール
基本情報
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書籍名 | マンホール |
著者 | 筒井哲也 |
原作 | – |
原作者 | – |
キャラデザ | – |
ページ数 | 上巻:313ページ 下巻:321ページ |
発売日 | 上巻:2015年04月17日 下巻:2015年04月17日 |
出版社 | 集英社 |
レーベル | ヤングジャンプコミックスDIGITAL |
ASIN | 上巻:B00XHS13B2 下巻:B00XHS13H6 |
ISBN | 上巻:978-4088901664 下巻:978-4088901671 |
状態 | 完結 |
巻数 | 全2巻 |
あらすじ
右目が白濁した全裸の男が血を吐き倒れるところからストーリーが始まる。
この事件の捜査を担当することになった、溝口健と井上菜緒は捜査の中で「マンホールの下」にある施設を見つけ……。
感想:マンホール
感想
「もしも……」を重ねた作品でありながら、リアリティがすごい。
社会を浄化する目的のために犯罪を犯す確信犯。
作中にも出てくる「確信犯」と言う言葉ですが、誤用である「悪いと思ってて犯罪を犯す人」ではなく、「自分の信念が正しいと疑わず行われる犯罪を犯す人」という意味で用いられていますので、注意が必要ですね!
これはあまりにも有名な言葉なので、普段から活字を読んでいる人は誤用する可能性は低いですね……。
さて、本作の中身の話に戻しましょう。
寄生虫を利用した事件であることが早々に分かり、その解決に奔走する話が刑事目線で描かれています。
パニックホラーではなく、ミステリー作品として読める本作。
「犯人が誰か?」と推理をしながら読むと一層楽しめますね。
犯人のヒントは作中に散りばめられています。
蚊をリアルに、しかも大きく描くのは嫌!(←褒めてる)
私はコミックも含めて、書籍を読むときは「Fire HD 10 Plus」で読んでいるのですが、画面が大きい分、こういうの結構びっくりするのよね。だから、ホラー漫画とかも面白く感じるんだけど、虫は……虫は……。
新装版の全2巻で読んだのですが、上巻ラストで「あちゃー」って言葉が出たもんね。
そして、下巻の方では犯人が分かり、綺麗にエンディングへと向かっていく。
ここについて書いてしまうと、犯人を挙げないにしてもネタバレして面白くなくなってしまうので、止めておきましょう。
少し話を変えて、本作で言いたいことって、「誰が犯人か?」って話じゃないと思うの。
ロボトミー手術のような精神外科的治療や、本作のような寄生虫を用いた<浄化>をしなければ救えないような人間が、世の中には相当数存在するという事じゃないかな?
強盗や殺人、SNSなどの「炎上」という言葉が毎日のようにニュース欄にならぶ世の中。
「SNSの炎上」だって、立派な犯罪だって含まれている。
真の意味で改心する人もいれば、反省しないどころか開き直る人がいるのもまた事実。
SNSの炎上については「昔はそんなことなかった!」なんて言う人がいるけれど、大っぴらにならないだけで相対的な数は同じくらい潜んでいると思うのよね。
インターネットの発達によって、ゴミクズがあぶり出されたってだけでさ。
「地元の悪い先輩」みたいなのって昔から言葉があるでしょ?
これがユビキタス社会の成れの果てよ。(ユビキタス社会って死語?)
炎上により見つかった犯罪が適切に裁かれるのか? とか、少年法がどうたらとか著作権法がどうたらとか法改正うんぬん等々――政治的なことを書くつもりはないけれど、どうしようもない今の日本を憂いて「本作の確信犯のように<信念>をもって、社会を浄化しようと考える人間」が現れる可能性もあるのよね。
「悪目立ち」って言葉どおり、それらの炎上する人々の中で鳴りを潜めているだけで、もしかしたら突如、社会を浄化する鉄槌を下すかもしれない。
それは個人かもしれないし、団体かもしれない。
なんて、色々と考えさせられるコミックでした。
結び
私にとって、自分を取り巻く環境以外なら誰がどこで炎上しようが興味ないのです。
私が見るニュースって、新刊発売とか仕事関係のIT動向とかそういうの……。日本の情勢とか知らん。
日常的に新聞読んだり、ニュースを見たりする人って凄いよね。
それを知ったところで、自分には何も出来ないのにもどかしくならないのかな?
他人事って割り切ることが出来るなら、そもそも最初から読んだり見たりするの止めればいいのに。
時間の無駄じゃない?
コミック読む時間の方が、私にとっては有意義なのよ!