作品情報:スキル『台所召喚』はすごい!~異世界でごはん作ってポイントためます~
基本情報
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書籍名 | スキル『台所召喚』はすごい!~異世界でごはん作ってポイントためます~ |
著者 | 紫藤むらさき |
原作 | スキル『台所召喚』はすごい!~異世界でごはん作ってポイントためます~ |
原作者 | しっぽタヌキ |
キャラデザ | – |
ページ数 | 1巻:135ページ 2巻:151ページ |
発売日 | 1巻:2019年03月09日 2巻:2019年11月01日 |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | B’s-LOG COMICS |
ASIN | 1巻:B07P1QXY8N 2巻:B07Z7J8DQH |
ISBN | 1巻:978-4047354593 2巻:978-4047358119 |
状態 | 完結 |
巻数 | 全2巻 |
あらすじ
女子高生の異世界召喚に巻き込まれて異世界転移した主人公のOL・小井椎奈(いさらい しいな)。
聖女として歓迎される女子高生であったが、小井椎奈は王宮の隅においやられてしまうのだった。小井椎奈の手に入れたスキルは『台所召喚』。その実態とは自分自身が「台所」に召喚されるというものだった。
感想:スキル『台所召喚』はすごい!~異世界でごはん作ってポイントためます~
感想
異世界×現代料理というのは、『異世界居酒屋「のぶ」』や『異世界食堂』など鉄板中の鉄板。
「現代世界→異世界転生/転移(巻き添え)」までは良くある展開ですね。転移者が現代の料理に驚く。さらにはステータスアップというのも見かける設定です。
しかし、「召喚スキルが自分自身が“台所”に転移する」というのは目新しい!
自分自身のオリジナル世界に転移するというのは、『てのひら開拓村で異世界建国記~増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ~』や『物語の中の人』でも取り扱われていますが、「台所」という局所的な転移は好ポイントでした!
護衛のハストさん(シロクマ)が盲目的な印象で好きになれない感じなんだけど、アッシュ様のキャラクターは立っていて好きでした。
あとはレリィ君にぜひ闇落ちして欲しいという……。(←おい!)
小井椎名(いさらい しいな)が、「おいしいな=美味しいな」と読めるようなモジリも好きです。漠然とした由来も分からない名前に比べれば、断然にキャラクターの個性が際立つように思えます。
本作は、原作小説のイラストを描かれている方が、そのままコミックを担当するレアケース。
絵については、女性主人公モノの他作品と比べて遜色なく、むしろかなり綺麗な方だと思いますし、コミックとして読みにくいなどと感じる部分はありませんでした。
そうなると、2巻完結というのが悲しい。
そもそも、原作1部(コミック2巻分)を出す話で、それを完遂したというのはコミック巻末の著者コメントから分かるのですが、もう少し読みたかったというのが本音です。
減点方式なら高順位をマークするけれど、加点方式だと他作品と横並ぶようなイメージのせいかなぁ。ありがちなテーマや、導入だからこそ「その後の魅せ方」が難しい印象を受けますね。(他作品とどうしても比較されやすいですから。)
同じレーベルの『聖女の魔力は万能です』はスピンオフ作品も含めて読んでいますし、アニメ作品も観ています。本作は、そこに負けないくらいのポテンシャルを持っていると思うんですよね。
これが二番煎じと言われてしまうと、なんとも言えないけれど「台所召喚」を引き立てる要素がプラスされたら割と負けないと思うんだけどなぁ。
絵は本作の方が好きなんですよね。
女性主人公モノというか、女性向け? の作品を読むときは、背景が結構楽しみなのです。(著者さんが女性なのかな?)
『最強の鑑定士って誰のこと?』を書かれている 不二原理夏さんとかね。もう登場人物背景に花びらが舞ってるのが素敵なんですよ!
ちょっと、話題がそれましたね――。
原作小説を読んでいないからなんとも言えないけれど、本作は第2部以降の「女子高生=聖女との絡み方」や「台所の片付けをしているのが独自のかわいいキャラクター」だったら、もう一段跳ねる気がする。(けれど、本作の魅力ってそこじゃないよね? って話にもなるのよね。)
あとは無難に、椎名のスキルレベルが上がって台所に「他の誰か」を一緒に召喚できるという方向にもっていけば、ストーリーに一気に選択肢が増えるかなぁ。あとは王族達のスタンスがどうなっているのか? や、世界的な情勢についても知りたいところです。
「ポイント使って食材・器具をゲット→食事作る→(誰かと)食べる→ポイントゲット」という言わば無限ループになっちゃってるので、「何故、ポイントを貯めるのか?」というゴールが提示されると、タイトル回収できて良いのかな? とも思いましたね。
ポイントためます ってサブタイトルが無ければ、無限ループの日常モノでも良いと思うの。
言っておきたいのは、「これは異世界から転移じゃなくても成立するよね?」という作品に比べれば、本作は十分に<異世界転移>であることも活かしてて、面白いと思うの!
結び
本作は全2巻で完結になっています。
『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』のように、コミックが完結して数年後にアニメ化されるなんてケースもあるので、本作もアニメ化されたら良いな~。