『5分後に意外な結末』は予想外ではない

目次

作品情報:5分後に意外な結末

基本情報

基本情報を表示する
題名5分後に意外な結末
原題『5分後に意外な結末 ベスト・セレクション』シリーズ
原作桃戸ハル
プロデューサー岡本浩一
多鹿雄策
藤村 恵子
監督守屋健太郎
佐藤善木
脚本本田隆朗
富安美尋
舘川範雄
演出守屋健太郎
佐藤善木
主題歌4s4ki/超5次元
製作会社テレビマンユニオン
讀賣テレビ放送株式会社
製作国日本
公開年2022年
話数全8話(4週放送で1週2話セット)
出演者飯尾和樹(ずん)
莉子
田口トモロヲ
北乃きい
城桧吏
安藤瞳
津田寛治
濱田龍臣
六角慎司
橋本じゅん
鶴見辰吾
野間口徹
ひがし由貴
中川大輔
野村周平
武田玲奈
持田将史(s**t kingz)
坂口涼太郎
前川泰之
村上耕平
鈴木兵太郎
坂東駿
松田真輝
相沢直美
大路恵美
稲川由唯
秋田汐梨
秋谷郁甫
久保乃々花
亘理舞
古川雄輝
阿部純子
笠松将

あらすじ

1話5分のオムニバス形式のドラマ。

学校の授業中にスマホを使って没収。
先生に「スマホで何していた?」と言われ、生徒が「ドラマを観ていた」「先生も観てみる?」というところから、意外な結末のドラマが始まる――。

感想:5分後に意外な結末

感想(各話ごと)

第1話「呪いの指輪」

予想通りの結末。
北乃きいさんの傍若無人な演技が良かった――。
一方で、落ち着いた田口トモロヲさんの渋いこと。素敵ですね。

第2話「隣の殺人鬼」

意外な結末だった。
実は、主人公の親が殺人鬼で冤罪を着せられた人が隣人(だから殺したいと呟く)だと予想したのに……。
こういう展開もあるドラマってことを理解しましたよ!

第3話「うそつき」

似た話を知ってた。
「免許証を持っていない」と言った時点で、結末まで予想通りの展開。
シリアスからコミカルに一気に落とす演出は凝ってるな~。

第4話「死神」

ストーリー自体は想定内の結末。
最初の「同じ苗字の人」という医師の言葉で時点で察した。
けれど、叫びで終わる演出が意外。
※「同じ苗字の人」のシーンを繰り返さず、
夫婦(あるいは息子)が泣き崩れるシーンで終わってほしかった。
(もっと絶望を! ←おいおい。)

第5話「サプライズな贈り物」

予想通りの結末。
「入るな!」からのスーツがかかっているシーンで、浮気じゃないの? と予想したら、まんまだった。
坂口涼太郎さんの笑顔が素敵で、つられて笑ってしまいました。

第6話「密室ゲーム」

ちょっと意外な結末。
「子供は1人しかいない」のセリフ時点で、語り手が誰かは分かった。
本当の子供が誰かも予想通り。

ただ、語り手が最後にEnterキーを押したことは意外。
子供小さいから、脅して金を搾り取った方が一時的な死亡保険金よりも効率的だと思ってしまった。
(そこは、娘の本当の親に養ってもらうから良いのかな?)

第7話「失敗したキューピッド」

予想通りだけど、一番好きだった話。
純文学×少女を意識した、清らかな演出が素敵。
映画にしても、本にしても「『自分の好き』を押し付ける人」は好きじゃないのよ――。

「本、もうちょっと待ってくれる」のセリフ時点でストーリーは読めた。
一人称視点が輝く良い作品でした!

第8話「親友交歓」

意外な結末でした。
太宰治原作の小説は未読です。
そういう終わり方するの? という意外さは8話の中で一番でした。

ただ、良い意味の裏切りじゃなくて、中途半端に話を切られたような意外さを感じました。

感想(まとめ)

私の中で「意外な結末」だったのは、半分くらいでした。
タイトルから行くと「意外な結末」は、決して「予想外の結末」では無いんですよね。

ストーリーが読めても、音楽や演出で十分に魅せられることを知ることができました。
オムニバス形式なので、5分でスパッと気持ちを切り替えられえるのですが、それをゆる~くつなぐ先生と生徒が良かったです。

少し残念な点としては、「ゆる~く繋ぐが故にホラー要素が弱い」と感じました。
地上波とは言え、『5分後に意外な結末』というタイトルを前提とすると、これはもうホラー/サスペンスを期待してしまいます。

それこそ、最終話に2話「隣の殺人鬼」のような作品(良い意味で意外な裏切る作品)を持ってくれば、1~3週目はもっと攻めた作品があっても良いと思ったのです。

原作小説を読んでいないので、そもそも原作にそのような攻めたホラー作がない可能性もあります……。
と、調べてみると原作小説は「まさかの児童文学!?」でした。そりゃ、攻めるにも限度があるでしょうよ。

どうりでストーリーが分かりやすい訳ですよ。
それをドラマという形まで昇華する手腕に惚れ惚れです。(監督さんすごいね。ホント。)

オムニバス増えて良いよね。

本作を見て「このようなオムニバス形式のドラマはもっと増えて良い」と思いました。

専門学校や役者/監督を目指す方、小説家・脚本家を目指す方に、テレビ側が枠を提供する。
アニメの『キャラディのジョークな毎日(学生支援アニメーション)』のドラマ版のイメージですね。

妙案かと思いましたが、今の時代だとYouTubeなどで自ら発信するんでしょうね。
ただ、YouTubeでオリジナルドラマを探して観ようとは思わないのです……。

結び

一般的なドラマは1話25分/50分×13話の1クール構成で、これは確かに疲れるのです。
(私がドラマで考察記事を書かない理由はコレに尽きます。集中力と記憶が持たない。。。)

今作は、5分×2話×4週の全8話。しかもオムニバス! 楽で見やすい。

ただ1話5分のドラマを作るのに、原作者・桃戸ハルさんに始まり編集者や出版社、そしてテレビ業界側の演者さんにスタッフさん等、様々な人が多くの時間を使って作り上げてると考えると、倍速視聴なんて烏滸がましいですよね。

作品があふれる世の中ですから倍速再生するのもわかるのですが、ずんの飯尾和樹さん演じる先生のセリフがすべてですよね。

生徒「倍速視聴で1時間ドラマ、10分くらいで見ちゃう子だっているからね。」
先生「ちょっと待てよ。普通のスピードで見ろよ。作った人泣くぞ。」

引用元:5分後に意外な結末

それでも、視聴者側は好きに観れば良いと思うの。

それぞれの楽しみ方で良いじゃない。気楽に楽しみましょ!

目次